ダッチオーブンは、皆さんもご存知だと思いますが、アウトドア料理に欠かせない焼く、炒める、蒸す、煮る、揚げるを一つで出来る万能調理道具と言われています。その為アウトドア好きの人なら持っておきたいアイテムの一つとなっています。
また、見た目もおしゃれであるため、調理してお皿としてそのまま食卓に出すこともできるので、キャンプでダッチオーブン料理に憧れる人も多いのではないでしょうか。そうはいっても、どうやって使って調理をしたらいいのか、どんな料理が楽しめるのか意外に分からない人もいるのではないでしょうか？
今回は、ダッチオーブンの魅力や使い方、おススメ料理などを紹介していきます。これであなたもワンランク上のキャンプを楽しむ事ができるでしょう。また、実際に郡上のキャンプ場でダッチオーブン調理にチャレンジした体験談についてもご紹介します。
ダッチオーブンとは
そもそもダッチオーブンとは、どんな調理道具なのか詳しくみていきましょう。
ダッチオーブンとは、アメリカ開拓時代から使われている、蓋が付いた鋳鉄製の鍋のことをいいます。
炭の上に直接置けたり、蓋にも直接炭をのせられるので、オーブンのように上下から加熱できるのが最大の特長です。蓋がずっしりと重いため、鍋が密閉状態になり、加熱時間が短くなり、食材の旨味を引き出すなど、圧力鍋と同様のうれしい効果があります。
ダッチオーブンが１台あれば、焼く、炒める、蒸す、煮る、揚げるなど、様々な使い方ができます。また、アウトドアで利用するのはもちろんのこと、家庭のガスコンロで料理することもできるなど、さまざまなシーンで利用することができます。
ダッチオーブンの扱い方
とっても重くて頑丈そうに見えるダッチオーブンですが、実は意外とデリケートです。
雑な扱いをすると、簡単に壊れてしまいますので、取り扱いには十分注意しましょう。
投げたり落としたりすると、衝撃でヒビが入ってしまうこともあります。運搬時はしっかりと持ち、落としたりしないように注意しましょう。
ダッチオーブンの魅力
⭐️蓄熱量が高く、保温性に優れている
ダッチオーブンは蓄熱量が高く、保温性に優れているので、調理後に料理が冷めにくいメリットがあります。フライパンや鍋よりもダッチオーブンの方が料理の温度をキープしてくれるので、スープや煮込み料理などにおすすめです。
⭐️一定の温度が保てるので焼きムラも少ない
厚手の金属製のダッチオーブンは、熱がゆっくり伝わるので温度のムラができにくく、食材に均等に熱が加わります。蓄熱性が高いので一度鍋の温度が上がると下がりにくく、じっくり熱を入れる蒸し料理や、水少なめの煮込み料理、ローストなどに向いています。
⭐️焼く、炒める、蒸す、煮る、揚げるができる
ダッチオーブンおススメレシピ
ローストビーフ
ローストビーフといえば、ごちそうの人気メニュー。火加減が難しそうですが、ダッチオーブンの均一に火が回る特徴にピッタリの料理です。
〈1〜２人分〉
- 牛ロース肉（ブロック）…500ｇ
- 塩コショウ…適量
- オリーブオイル…適量
- 柚子胡椒などの調味料…好みで
- 底網（すのこ）…焦げ防止用に１枚
～下ごしらえ～
常温に戻した肉全体に塩コショウをよく手ですり込み、しばらく置いて味をなじませます。
塩コショウはハーブソルトなどに置き換えたり、にんにくをプラスしたりして作るのもおすすめです。ハーブソルトは、素材のうま味を引き出し、香りよく仕上げる便利な調味料です。
～調理～
１． 煙が出るほどに厚く熱したダッチオーブンにオリーブオイルをひき、表面全体にしっかりと焼き目をつける。
２． 肉を取り出し、ダッチオーブンの底に底網を敷いてから、肉を網の上に戻す
３． フタをして中火～弱火でロースト。フタの上に炭や薪をのせて、天火にして、30分位ローストする。
４． ホークなどで肉をさし、好みの焼け具合になったら下火を止め、天火も外す。
５． ダッチオーブンから肉を取り出し、アルミホイルに包んで、温かいところで15分ほど休ませる。
６．肉を切り分け、盛り付ける。
ピザ（マルゲリータ）
ピザの定番メニューマルゲリータも、ダッチオーブンなら香ばしく焼き上げることができます。
材料（21cm生地1枚分）
ピザ生地（冷凍） 1枚
- ミニトマト 6個
- 市販のトマトソース 100g
- モッツァレラチーズ 1個（100g）
- オリーブオイル お好み
- バジル 適量
〜調理〜
1、クッキングシートを大きめに広げ、その上でピザ生地をダッチオーブンのサイズより一回り小さい大きさに広げ、フォークで数カ所穴を開け、ふちを1cm程度残しトマトソースをのばす。
2、トマトソースを塗った上にモッツアレラチーズまたはピザ用チーズを散らし、その上にバジルを散らす。
３、底網を敷いたダッチオーブンにクッキングシートごと置く。
4、炭火は熾火※の状態にしておく。
※熾火（おきび）・・・着火した薪や炭が炎を上げず芯の部分が真っ赤に燃えている状態。 炎が上がっていなくても非常に高温です。
5、熾火の状態の焚き火台やBBQグリルの上に焼き網を置き、ダッチオーブンを置き、フタをして上に炭を置く。
6、5分ほど焼く。
パエリア
鶏もも肉を使用してジューシーに、魚介はシーフードミックスを利用するので調理も簡単です。
■材料（3～4人分）
- 無洗米 2合
- 鶏もも肉 1枚（約270g）
- シーフードミックス 250g
- にんにく 1片
- 赤パプリカ 1個（約120g）
- 玉ねぎ 1/2個（約125g）
- パセリ 適量
- オリーブオイル 大さじ1
- 塩コショウ 少々
★調味料
⭐️ 水 400mＬ
⭐️ コンソメキューブ 2個
⭐️ ターメリック 大さじ1
※季節の野菜やきのこをプラスしてもOK。また、ターメリックはカレー粉に置き換えてカレーパエリアにしたり、トマト缶をベースにして作ったりしてもおいしいですよ。
～調理～
1、ダッチオーブンにオリーブオイル、みじん切りにしたニンニクを熱し、香りが立ってきたら、食べやすく切った鶏もも肉を加えて色が変わるまで炒め取り出す。
２、ダッチオーブンに荒めのみじん切りにした、玉ねぎを加えてしんなりするまで炒め、無洗米を加えてほんのり透明になるまで炒める。
３、調味料の水、コンソメ、ターメリックを加えて混ぜて、シーフードミックス、乱切りにした赤パプリカを加えたら鶏もも肉を戻し入れ、フタをして弱火で15分ほど煮る。
４、塩コショウで味を整えパセリをちらしたら完成です。
ダッチオーブン手入れの仕方
使用前に行うこと
使用前にはシーズニングを行う必要があります。シーズニングとは、慣らすことで、出荷段階で錆びないように油が塗られているものを一度丁寧にはがし、植物性油で再び油に慣らすことをいいます。この作業を行ってから初めてダッチオーブンを使用することができます。
シーズニングの手順
手順1️⃣ ダッチオーブンを洗う
まずはダッチオーブンを食器用洗剤でスポンジや亀の子たわしを使って洗って水洗いしましょう。金属製のたわしは表面を傷つけてしまうため、使用しないように注意しましょう。
手順2️⃣水気を拭き取り、しっかりと乾かす
手順3️⃣ ダッチオーブンに油を塗る
乾いたダッチオーブンの本体の内側と外側、さらにフタの内側と外側に油を塗り込む。
本体の持ち手が付いている部分や、フタの取っ手部分など、細かいところにも丁寧に塗っていきましょう。
手順4️⃣ダッチオーブンを加熱して油を塗る
油を塗り込んだダッチオーブンを中火にかけ、煙が出始めたら弱火にし、煙が出なくなるまで加熱し、火を止めて再度油を塗りこんでいきます。
注意⚠️加熱したダッチオーブンは高熱になるので、火傷を防ぐためにも耐熱グローブや耐熱ミトンを装着して作業するようにしましょう。
また、この「油を塗って加熱する」という工程は最低でも3回、できれば4～5回は行うと、表面に油の膜ができ、焦げ付きや錆びを防ぐことができます。
手間だと思う方は、鋳鉄製でもあらかじめシーズニングされた商品もあるほか、ステンレス製ならそもそもシーズニングは不要となります。購入前に商品情報を見て、シーズニングが必要かどうかを確認してみましょう。
使用後に行うこと
ダッチオーブンを長く使うためには、使用後のお手入れもとても重要です。ここでは、簡単にその手順をご紹介します。
1️⃣まずは料理の残りを取り除き、ダッチオーブンにお湯を注ぎます。鋳鉄製のダッチオーブンは温度変化に弱く、本体が熱いうちに冷たい水を注ぐと破損につながるので、お手入れには必ずお湯を使用しましょう。
2️⃣お湯を沸騰させたら、木べらなどで汚れをこそぎ落とし、そのまま流していきます。
3️⃣キレイになったら本体とフタを火にかけて乾かし、仕上げの油を塗り込んでいきます。
4️⃣油を塗ったダッチオーブンを煙が出るまで火にかけて、煙が収まったら火から下ろしましょう。自然に冷ましたら、使用後のお手入れは完了です。
収納時の注意点
次に使うまで期間が空くようなら、しっかりとメンテナンスをしておく必要があります。
まず、サラダ油やオリーブオイルなどを中も外もフタも全てにしっかりと塗ります。
そして、鍋は鍋で新聞紙に包み、フタはフタで新聞紙を用い、包みます。これによって、新聞紙が湿気を吸ってくれるので錆びつきにくくなります。
また、空気を循環させるためにも、鍋とフタの間には割り箸などを挟んで、隙間を作っておくといいでしょう。
ダッチオーブンを使った料理にチャレンジ／ワンランク上のキャンプを楽しむ体験談【郡上】
40代 女性 Gさん
毎日、仕事や家事、子育てと日々忙しい毎日を送っており、久しぶりに連休がとれたので、リフレッシュするために友達家族と郡上のキャンプ場でキャンプをすることになりました。
私達家族は、あまりキャンプの経験がないのですが、Kさん家族は時々キャンプをしているようで、最近ダッチオーブンを購入したとのことで、ダッチオーブン料理にチャレンジすることになりました。ダッチオーブンというものは、アウトドアアイテムとして聞いてはいましたが、実物を見るのは初めてでしたが、思ったよりずっしりとして重さがあるのにびっくりしました。
今回は子どもも食べれて、いろんな具材のトッピングも楽しめ、短時間で焼けるピザにチャレンジしました。 ピザ生地は事前にホームベーカリーで生地を作り持参し、トマトソースは市販のものを利用しました。
火を起こし、熾火にして焼けるよう主人達にお任せし、母2人でピザ生地を形成したものを、子ども達がソースを塗り、トッピングするという役割で作りました。子ども達は、お互い笑ったり、コミュニケーションをとりながら、楽しくトッピングしていました。ダッチオーブンで焼く準備ができ、ピザを中に入れ、焼くこと5分 外はカリッと中はふっくらの美味しいピザが出来上がりました。
子ども達はダッチオーブンをのぞき込み、うわ〜💕美味しそうと歓声の声をあげていました。 皆で協力して作った特別なピザということもあり心もお腹も満たされ、いつもとは違ったワンランク上のキャンプ飯を楽しむことができました。 また次回キャンプする機会があれば、次はパエリアにも挑戦したいねと話をしました。
まとめ
いかがでしたか？ダッチオーブンは焼く、炒める、蒸す、煮る、揚げるなど、様々な使い方ができる万能アイテムであり、アウトドアライフの可能性を大きく広げてくれるアイテムです。また、家庭のコンロでも調理することができる為アウトドアだけでなく家でおもてなし料理を作る際にも活用することができます。
また、火の通り方も均一でオーブンとしての機能を存分に果たしてくれるので、使い方をマスターすれば、さまざまな料理に使うことができます。ダッチオーブンを使って、いつもとは違ったワンランク上のキャンプ飯を楽しんでみたらいかがでしょうか？
