キャンプでの夜の楽しみといえば、キャンプファイアーではないでしょうか?
夜の暗闇に浮かび上がる炎の揺らめきは、心を癒し、大切な家族や仲間と特別なひととき過ごすことができます。
キャンプファイアーの魅力や安全対策、そして楽しみ方について詳しくご紹介します。
キャンプファイヤーの由来
キャンプファイヤーの起源は、火の神への崇拝です。そのため、料理や動物避けのための焚き火(単にキャンプで焚かれるというだけの火)は、キャンプファイヤーとは呼びません。
しかし近年では儀式的な要素より、自然の中で火を囲んで仲間と楽しむなど親睦を深める意味合いで行われることが多くなっています。
キャンプファイヤーの始まり
19~20世紀にかけてヨーロッパやアメリカの各地で組織キャンプというものが行われ始めました。
※組織キャンプとは、ある目的を達成するために準備され、計画されたプログラムがあり、野外でのグループ活動や共同生活を通じて、楽しく創造的で教育的な体験の機会や場を提供するキャンプのことをいいます。
イギリスのベーデン・パウエル卿によるボーイ・スカウトのキャンプで、火の大切さや取り扱い方学ばせる重要な訓育科目としてキャンプファイヤーを取り入れて、火を通じての精神教育を行ったのが始まりと言われています。
火の4つの教え

キャンプファイヤーの火には「明るさ」「あたたかさ」「協力」「犠牲心」という4つの教えが込められています。
火の教え① 明るさ
火は、闇夜から足元を照らし進むべき道、人生の道を示します。また、社会に1つの明るさを灯す人となり、世に光を投げかけ、世の光になれと教えています。
火の教え②あたたかさ
火はあたたかさを与えて、寒さから私たちを守ってくれると同時に、心のゆとり、あたたかさを取り戻してくれます。
また、あたたかい人であれ。人を愛することの尊さを教えています。
火の教え③協力
キャンプファイヤーは1本の薪ではできませんが、
仮に1本の薪だったとしたら、火は弱く暗いだけでなく温まりません。
キャンプファイヤーのように何本もの薪が相互に支え合って協力しあうことで、強く、あたたかい火になります。
このことから、手を取り合って力を合わせていく、仲間の大切さ、友情の大切さを教えています。
火の教え④ 犠牲心(奉仕の心)
火は明るさ、温かさ、友情の大切さを、自らの身を焼き尽くしながら教えています。
時には、自分を犠牲にしても周囲のことを考え、取り組む必要性があることを示しています
キャンプファイヤーの利用の仕方
キャンプファイヤーをどのように利用するかというのはキャンプが催されている目的や、主催する人のセンスによっても違ってきます。
以下のような利用の仕方があります。
⭐️単純に調理の場としてのみ使う人
⭐️身体を温める場に使う人
⭐️軽い社交の場に使う人
⭐️人と人の心を結ぶための儀式の場にする人
キャンプファイヤーの魅力

ここでは、一般的なキャンプで行われる
キャンプファイヤーの魅力について紹介します。
魅力1️⃣ 家族や仲間との仲を深められる
大切な家族や仲間と一緒に火を囲むことで普段話せないような深い話をしたり、火を囲み歌を歌ったり、ゲームしたりすることで、心の距離も縮まり、仲を深めることができます。
また、いつもとは違う家族や仲間の一面が見られたりします。
魅力2️⃣ リラックスすることができる
焚き火をしていると、炎のゆらめきと薪の燃える音が心を落ち着かせ、リラックスさせてくれます。
薪の燃えるパチパチという音や、心臓の鼓動や打ち寄せる波の音と同じリズムの炎の揺らぎは、1/fゆらぎと呼ばれており、人の心を落ち着かせる効果があります。
つまり、炎を見ていたり、燃える音を聞いて落ち着くのは、その動くリズムや音が丁度よく心地良いからなのです。
魅力3️⃣料理や焚き火遊びが楽しめる
キャンプファイアーは、ただ火を眺めるだけでなく、料理や焚き火遊びを楽しむことができます。
⭐️料理
焚き火を使った料理はキャンプの醍醐味の一つです。
マシュマロを焼いたり、焼いたマシュマロをチョコと一緒にクラッカーで挟んだスモアは、子どもにも大人気です。

ダッチオーブンで、トマトスープなど煮込み料理を作ったりすることもできます。

⭐️焚き火遊び
焚き火を囲んで歌ったり、体も使うダンス、ゲームをすることも、キャンプファイアーの魅力です。
「マジカルバナナ」「古今東西」「ハンカチ落とし」「影絵遊び」や「キャンプソングを歌う」なども楽しいアクティビティです。
キャンプファイヤーをする際の注意点
キャンプファイアーはさまざまな魅力があり、楽しいですが、火を扱うので、安全には十分に注意する必要があります。実際どんなことに注意すればよいかみていきましょう。
1️⃣ 火の管理をする
常に火のそばに誰かがいるようにして、火の勢いが強すぎないように調整する必要があります。もし、火が大きくなりすぎた場合は、薪を減らしたりして調整しましょう。
2️⃣ 消火を徹底させる
キャンプファイアーを終了させる時は、完全に火を消すことが大切です。
ただ、そうかといって一気に水をかけて消火することはNGです。
なぜなら、水をかけることで、高温(熱湯がかかるくらい)の水蒸気が発生し、その水蒸気でヤケドする危険性があるからです。
水がたっぷり入ったバケツを用意し、薪を一本一本水に入れて消火していきましょう。
サッと水につけて消したつもりでいても、表面だけしか消火できていなく、芯は燃えたままになっている場合があり注意が必要です。
しっかりと水を薪の中まで浸透させて、芯まで消火しましょう。
また、焚き火に土をかけて火を消すのもNGです。なぜなら、炭を土の中に埋めても火がくすぶっている可能性があるからです。
浅く掘った穴の中は、空気が遮断されにくい為、鎮火せずにそのまま火災になる危険性があります。
3️⃣火傷を予防する
キャンプファイヤーは火を扱う為、火傷の危険があります。その為火傷をしないような対策をすることが大切です。
〈火傷対策〉
⭐️肌の露出を減らす為に、長袖長ズボンを着る
⭐️焚き火を触るときは革手袋や軍手を使う
⭐️不用意に火のそばに近づきすぎない
⭐️火に強い素材の服を着る
〈不向きな生地〉
ポリエステル・ナイロン・化繊ウェア
〈おススメ生地〉
デニム•コットン
熱にも強い素材で、作業服に使われるデニム生地は耐久力が桁違いで、季節関係なく着回せて夏・冬どちらでも対応することができます。
また、コットン生地は燃えにくい特性があり
夏キャンプにはコットン生地がオススメです。
コットン生地は、燃えにくいだけでなく、吸放湿性という水分を吸収する特性もあるので、汗をかく夏もサラッとした状態を保つことができます。
4️⃣ 環境への配慮をする
焚き火の後始末はキャンパーが守るべきルールです。
しかし、残念なことに焚き火の後始末のルールが守れないキャンパーも多くのキャンプ場で問題となっています。
焚き火の後始末をきちんとすることは、きれいな自然を守ったり火災の危険を防いだり、キャンパーに対しても気遣いを示すことになり大切なことです。
自然環境を守るため、次に使う人が気持ちよく使えるよう、キャンプ場のルールに従って焚き火の跡をきちんと片付け、ゴミを残さないようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか? キャンプファイヤーは、キャンプの醍醐味の一つであり、大切な人との関係性を深めたり、慌ただしい日常から離れて、心身ともにリラックスできたりとメリットがたくさんあります。
ただ、キャンプファイヤーを安全に楽しむ為には、いくつか気をつけなければならない注意点もご紹介しましたので、是非その注意点を守って大切な家族、仲間とキャンプファイヤーを楽しんでみてください。